- あまりにも過大な金額の手形
手形割引業者は、手形の割引が可能かどうかの審査の際、持込人の月商を参照します。
そのとき会社の収益と比較をして、それを遥かに超えるような金額である場合、その手形に対して懸念を抱きます。
月収2000万円の持込人が、5000万円の手形を手にするというのは、まずあり得ないと判断されます。 - 支払期日が訂正されている手形
一般的に支払期日というものは、会社の資金繰りの都合上、一定です。
支払い期日が先延ばしになるということは、どういう状況を示唆するのかと考えれば一目瞭然です。
経営状況が厳しくなってきている可能性が高いとみていいでしょう。 - メインバンク以外から振出された手形
手形の支払場所は多くの場合、振出元のメインバンクです。
メインバンクでもなく、聞いたこともないような銀行等で振出された手形は、注意が必要です。
そのような場合、融通手形である可能性が高いためです。 - 印鑑等が不鮮明で歪んでいる手形
もっとも繊細かつ正確性を要する業務であるにも関わらず、管理がずさんであるという印象を受けます。経理のいい加減さは、その会社全体の管理体制のいい加減さといっても過言ではありません。
また、記入箇所が手書きのものは、手形を振り出すという機会の少なさに比例することが多いようです。 - 複数枚の印紙が貼ってある手形
印紙は一枚しか貼りません。
手形を切る機会の多い企業は、あらかじめ金額にそった収入印紙を準備しているものです。
- 支払停止の依頼
取引銀行に対して事故の発生を通知し、速やかに支払停止を依頼しましょう。
- 警察への届出
所轄の警察署に盗難の届出をしましょう。
のちに法的手続きをする場合に必要となることですので、忘れずに必ず行ってください。 - 裁判所への「公示催告の申立」
弁護士へご相談いただき、所轄の簡易裁判所に盗難手形を無効とするために “ 公示催告の申立 ” を行ってください。
- 保管の注意
盗難後の乱用を防ぐために、手形と印鑑は別々に保管しましょう。
貸金業の営業には、貸金業者の登録が必要となっています。
下記のような例がございます。
貸金業登録番号 ○○県知事(1)001111
( )の数字は、営業開始からの経過年数を示す記号的な働きをしています。この例での(1)は3年以内を意味します。
この数字が大きいほど営業年数が長いということを示しています。
また、業者は各都道府県の貸金業協会に加盟しています。手形割引業者のなかには、日本事業者金融協会に加盟し、手形に精通する業者もあります。
登録されている貸金業者は、登録貸金業者情報検索(金融庁)のページで検索できます。
登録貸金業者情報検索(金融庁)
- 見境なく割引く業者
手形が不渡りになると、貸倒れとなります。万一の事態により、大手企業であっても1社あたり数千万円も割引いてもらえるということは、ほぼございません。
中小企業で信用が低い手形は、割引を断られるというケースもあります。
割引業者に拒否されたことによって、取引先の再調査となり、不渡りをつかまずにすんだケースもございます。 - 担当者が頻繁に変わる業者
求人誌や新聞で求人を活発に行なっている業者は、要注意です。
売上のノルマがきつく社員の定着率が低い場合が殆どです。自分の給料を増やす事しか考えず、売上のノルマさえ達成すれば良しとする社員が多く、お客様のことは二の次になってしまっています。
最近、上場企業や老舗といえどもいつ倒産するかわからない時代となりました。特に民事再生法施行後は、企業の倒産するまでの時間は、以前に比べかなり早くなって来ています。そのような状況において、今までの取引先が、これからもずっと大丈夫という保証は、ありません。取引先のちょっとした変化を見逃さず、与信管理に役立つポイントをお教え致します。
- 経営者
- ワンマンで派手好みの経営者
- ギャンブル好きでハッタリの多い経営者
- 経理に疎い大雑把な経営者
- 出社時間の遅い経営者
- 不在の時が多い経営者
- 顔色が悪く、疲れが見える経営
- 役員間のトラブルが多い経営者
- 社歴が浅く未熟な経営者
- 役員の退職が目立つ会社
- 長期欠勤や長期療養中の経営者
- 過去倒産歴がある経営者
- 会社の内容
- 副業が多過ぎる会社
- 約束がくるくる変わる会社
- 経給料の遅配が始まった会社
- 労組との関係が悪くなってきた会社
- 保証かぶりが目に付く会社
- 扱い商品が斜陽化を辿っている会社
- 倒産後第2会社で2年未満の会社
- ウソを付く会社
- 取引
- 安売り乱売が多い会社
- 販売先、仕入先が急変した会社
- 取引先の倒産が目立ってきた会社
- 事故・クレーム発生が多い会社
- 経理
- 定時支払日を度々変える会社
- 手形ジャンプを依頼する会社
- 社有不動産に銀行、仕入先以外の担保がついた会社
- 社内の雰囲気
- 女子社員の退職が目立つ
- 社員の態度が無愛想
- 電話でのヒソヒソ話が目立つ
- 事務所内の整理整頓が悪く、乱雑
- 業界と関係がない人物の出入りが目立つ
- トイレの汚れがひどい会社
手形を割引く場合や、支払に廻す場合には、必ず手形に裏書をしなければなりません。お客様から、裏書の仕方が分からないというお問い合わせや裏書が不備なケースが見受けられます。
裏書不備の場合は、その裏書を抹消しその下に新たに裏書をし直さなければなりません。当社へ手形を送られても、裏書不備では割引が出来ませんのでお客様へ手形を送り返すことになり、割引の実行が2~3日遅れる事になってしまいます。
裏書の仕方の不注意でお客様の大事な資金繰りが狂ってしまうことになります。その様なことにならないためにも、裏書は間違いがないよう慎重にお願い致します。
赤枠内に納まる様、社判と印鑑を押して下さい。 赤線の枠内に納まっておらず、被裏書人の枠にハミ出して社判と印鑑が押されている。 |
裏書を間違えた場合は、その裏書を抹消し、その下の欄に新たに裏書きをやり直します。 |
融通手形とは、複数の会社の間で資金を融通するためにお互いに振り出す手形のこと。
振り出した手形を金融機関や手形割引業者で割引き、資金調達を繰り返すが、1社が不渡を出すと、連鎖倒産する可能性が高い。
- 振出人と受取人との商売上の繋がりがない。(業種など)
業種柄全く繋がりが無い会社が、代表者同士が知人関係などでお互いの資金繰りの為に手形を振り出し決済資金を融通し合う。
- 商売の流れから見て、手形の流れ(振出人→受取人)が逆である。
通常、仕入先への材料代や下請先への工事代金などの支払のために手形を振出すが、融通手形は、その流れが全く逆の場合が多い。
- 手形金額が、月商に比べて過大である。
手形を振出した会社の月商に比べ、その数倍の金額の手形は、要注意です。また、手形の受取人の月商に比べても過大な金額の場合も、受取人が振出人にその金額を融通してもらう様依頼している可能性が高い。
- 手形金額に端数がなく、切りのよい数字になっている。
商業手形のように端数がなく、百万円単位など切りがよい金額の手形が多いが、商業手形のように見せかけるために端数を付ける場合もある。
- 振出日や期日、支払場所(銀行)が通常の商業手形と異なる。
一般の会社は、締め日、支払日が毎月一定しているので手形の振出日や支払期日も同様である。 融通手形の場合は、相手の都合に合わせるので振出日や期日が異なる。また、融通手形を切る場合には、サブの銀行からが多い。
- 振出人と受取人が共に関連会社や子会社の関係である。
直接、資金を融通する相手先に手形を振出すのではなく、一旦子会社などに振出しそこから裏書し融通相手に手形を渡す場合もある。
取引先から融通手形の相談があった時には、是非勇気を持ってお断りするようにして下さい。 融通手形は、決済を繰り返す間に間違いなく不渡りになる事を覚悟しておいた方がいいでしょう。
直接、融通手形を受け取ることはありませんが、裏書手形を受け取る場合は、注意し疑問点などは、裏書人・振出人に確認して手形を受け取って下さい。